アラスカ恒久基金配当と雇用:NBER論文の要約

Damon Jones and Ioana Marinescu, NBER Working Paper 24312(2018、2020年改訂)
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この論文の位置づけ: アラスカの恒久基金配当は、石油収入を住民へ毎年配分する制度であり、完全なベーシックインカムではない。日本の制度を直接予測するものではなく、無条件・継続的な現金給付が雇用に与える影響を考えるための比較材料である。

研究の問い

すべての住民に恒久的な現金給付を行うと、働く人が減るのか。アラスカでは1982年以降、アラスカ恒久基金から住民へ毎年配当が行われているため、この制度を使って労働市場への影響を調べた。

方法

主な結果

注意: この結果は「どのようなBIでも雇用を減らさない」という意味ではない。アラスカの給付額、財源、物価、労働市場、既存の社会保障は日本と異なる。また、年1回の配当と毎月の生活保障では、家計への影響も異なる。

「怠ける」という懸念を考える手がかり

この研究から言えるのは、無条件の恒久的な現金給付が、必ずしも社会全体の就業を縮小させるわけではないということだ。パートタイム労働の増加は、労働時間や働き方を調整する人が出る可能性を示すが、それを直ちに「怠け」と呼ぶことはできない。

日本で検討する際には、就業率だけでなく、労働時間、賃金、非正規雇用からの移行、離職、職業訓練、介護・子育てなどを併せて見る必要がある。生活のために不利な仕事を受け入れざるを得ない状態が緩和されれば、給付は労働者の交渉力を高める可能性もある。

この研究の限界

原論文

Damon Jones and Ioana Marinescu, The Labor Market Impacts of Universal and Permanent Cash Transfers: Evidence from the Alaska Permanent Fund, NBER Working Paper 24312.

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